
予防接種
予防接種
予防接種とは、病気を防ぐために行うワクチンの接種のことです。ワクチンとは、細菌やウイルスといった病気の原因になる病原体をもとに作られた薬剤で、体に接種することで「免疫」をつけることができます。まだかかったことのない病気に対しても、あらかじめ体が守る力を備えることができるのです。
ワクチンを受けると、その病気にかかりにくくなります。もし感染したとしても、症状が軽く済むことが多いとされています。つまり、ご自身の健康を守るためにとても大切です。
また、世の中には体質や病気などの理由で、ワクチンを受けられない方もいらっしゃいます。多くの人が予防接種を受けることで感染の広がりを抑え、そうした方々を守ることにもつながります。いわゆる「市中感染」を防ぐという点でも、予防接種は社会にとって大切な役割を果たします。
インフルエンザは例年11月下旬から流行が始まり、翌年4月頃まで続きます。手洗い・うがい・マスクも大切ですが、最も効果的とされる予防法はインフルエンザワクチンの接種です。
ワクチンは接種後2週間ほどで効果が出始め、効き目は約5か月持続します。そのため流行のピークとなる1月を見据え、12月中旬までに接種するのが望ましいとされています。
2回接種(1回目から2~4週間あけて2回目)
1回接種
65歳以上の方は「定期接種」の対象となり、公費による助成が受けられます。詳細はお住まいの自治体の案内をご確認ください。
肺炎はその名のとおり「肺に炎症が起きる病気」です。原因はウイルスや細菌による感染のほか、食べ物や飲み物が誤って気管に入る「誤嚥」、アレルギーなどでも起こることがあります。
肺炎は日本人の死因の第5位(2021年厚生労働省データ)にあたり、特に65歳以上の高齢者の方が重症化しやすい病気です。実際に肺炎で亡くなる方の約95%が高齢者とされています。
成人の肺炎のうち約3割は「肺炎球菌」が原因とされており、65歳以上の方には肺炎球菌ワクチンの定期接種が推奨されています。ワクチンによって重症化や合併症のリスクを減らすことができます。
風しんは「風しんウイルス」によって起こる急性の発疹性感染症です。免疫がない人が多い集団では、1人の患者さまから5~7人に感染すると言われるほど、強い感染力があります。
風しん予防のために使われるのは「麻しん風しん混合ワクチン(MRワクチン)」で、小児の定期予防接種に含まれています。接種により、95%以上の方が風しんに対する免疫を獲得できるとされています。
B型肝炎ウイルスは肝臓に感染し、急性肝炎を起こすほか、慢性化すると肝硬変や肝臓がんにつながることがあります。
血液や体液を介して感染するため、以下のような場面で感染リスクが高まります。
B型肝炎はワクチンによって予防できる数少ない感染症のひとつです。感染リスクが高い方はもちろん、一般の方も接種しておくことで将来の病気を防ぐことにつながります。
帯状疱疹は、水ぼうそうと同じ「水痘・帯状疱疹ウイルス」が原因の病気です。体の神経に沿って赤い発疹や水ぶくれが出て、ピリピリ・チクチクする強い痛みを伴うことがあります。皮膚の症状は3週間ほどで治まりますが、高齢の方や痛みが強い方では「帯状疱疹後神経痛」といって、何か月も痛みが続くことがあります。
帯状疱疹を防ぐためにはワクチン接種が有効です。現在、日本で使用できるのは2種類です。
いずれのワクチンも注射部位の痛みや腫れといった副反応がありますが、多くは数日から1週間程度で治まります。
新型コロナウイルスワクチンは、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)による感染を防ぐとともに、発症や重症化を予防するためのものです。接種することで、感染リスクを下げるだけでなく、万が一感染した場合でも重症化や入院を防ぐ効果が期待できます。
高齢の方や基礎疾患をお持ちの方にとって、重症化を防ぐために特に大切なワクチンです。
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