
胃がん
胃がん
胃がんは、胃粘膜の細胞が異常に増殖し腫瘍をつくる病気です。最初は粘膜内にとどまりますが、進行すると粘膜下層→筋層→漿膜へと広がり、やがて周囲臓器への直接浸潤やリンパ・血流を介した転移を起こします。特に注意が必要なのが**スキルス胃がん(びまん型胃がん)**です。胃壁を硬く厚くしながら進展するため表面の凹凸が少なく、通常の内視鏡検査でも発見が難しいことがあります。進行が速く自覚症状も乏しいため、定期的な検査こそが早期発見の唯一の鍵になります。
日本は世界的に見ても胃がんの多い国です。統計によれば、毎年約12万人が新たに胃がんと診断され、約4万人が亡くなっています。発症は40代後半から増加し、60〜70代が最も多く、男女比は男性:女性=約2:1です。近年は衛生環境の改善やピロリ菌除菌の普及により罹患・死亡数は減少傾向にありますが、依然として身近で油断できないがんであり、「早期発見」が最も重要であることに変わりはありません。
日本人における最大の危険因子です。幼少期に感染すると慢性胃炎が進行し、萎縮性胃炎→腸上皮化生といった粘膜の変化を経て**“がんの土壌”**が形成されます。胃がん患者の大多数にピロリ菌感染の既往が認められます。
喫煙
発症リスクを約2倍に上昇
塩分過多
漬物・塩辛・加工肉などの常食
野菜・果物不足
抗酸化物質やビタミン不足
不規則な食事
夜食・過食による粘膜への慢性的な負担
家族に胃がん患者がいる場合は発症リスクが高く、とくに若年発症の家族歴は注意が必要です。
慢性胃炎、一部の胃ポリープ(前がん病変)、過度の飲酒、肥満などもリスク因子とされています。
胃がんは初期には無症状であることが多く、進行とともに以下の症状が現れるようになります。
これらは胃炎や潰瘍でも出る症状ですが、違和感が続くときは胃カメラを受けることが最も安心につながります。
問診・診察
症状経過、服薬、家族歴、生活習慣を確認
血液検査
貧血・炎症・腫瘍マーカー(CEA、CA19-9)、肝腎機能評価
画像検査
X線・エコー・CT・MRIで進行度や転移を評価。PETで遠隔転移を検索することもあります
内視鏡(胃カメラ)
粘膜を直接観察。NBI(狭帯域光)や色素内視鏡を用いると微細な病変も見つけやすくなります。必要に応じて生検を行い病理診断へ
病理診断
組織型や悪性度を判定し、最終的な病期(ステージ)と治療方針を決定
ステージ | 病変の広がり | 主な治療 |
---|---|---|
0期 | 粘膜内に限局(極早期) | 内視鏡治療(EMR/ESD) |
I期 | 粘膜〜筋層、リンパ節転移なし~少数 | 内視鏡または外科手術(腹腔鏡・ロボット支援含む) |
II期 | 筋層以深、転移なし | 手術 ± 術後化学療法 |
III期 | リンパ節転移あり | 手術+化学療法 |
IV期 | 遠隔転移あり | 化学療法・分子標的薬・免疫療法、緩和治療 |
粘膜内に限局し転移リスクが低い病変が適応。胃を切らずに切除でき、体への負担が軽く入院期間も短いのが利点です。
進行例では標準治療。部分切除や胃全摘+リンパ節郭清が行われます。近年は腹腔鏡やロボット支援手術により創が小さく、回復も早くなっています。
除菌によって新規発がん・再発リスクを有意に低減できます。ただしゼロにはならないため、除菌後も定期的な胃カメラが必要です。
胃がんは早期発見であれば内視鏡治療で根治が期待できます。自覚症状が出てからでは遅れることが多いため、症状がなくても定期検査が重要です。
当院(世田谷区・京王井の頭線 東松原駅前)は、駅徒歩1分の好立地にあり、渋谷・新宿・下北沢エリアからのアクセスも良好です。
当院の理念は「灯台のようなあたたかな光で、健康の道しるべに」。患者さんが不安の海で迷わぬよう、丁寧な説明と温かいサポートを大切にしています。
→ ひとつでも当てはまる方は胃カメラを検討してください。
「最近、胃の調子がよくない」「食欲が落ちた」「体重が減ってきた」——そんなときは自己判断せず、どうぞお気軽にご相談ください。
世田谷区・渋谷区・杉並区エリアからのアクセスも良好です。あなたの“いつもの毎日”を取り戻すお手伝いをいたします。
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