
ピロリ菌
ピロリ菌
「ピロリ菌」という言葉を耳にしたことがある方は多いのではないでしょうか。
健康診断や人間ドックで「ピロリ菌検査を受けましょう」と案内されたり、テレビや雑誌で「胃がんの原因になる菌」と紹介される機会も増えています。
一方で実際には、
と不安に感じながらも、特に症状がないため放置してしまう方も少なくありません。
しかし、ピロリ菌は胃の不調や潰瘍、さらには胃がんへとつながる大きなリスク因子です。当院では、ピロリ菌に関する正確で分かりやすい説明を行い、検査から治療、さらに除菌後のフォローまで一貫して対応しています。ここでは、基礎知識から感染経路、検査方法、治療の流れまでを詳しく整理しました。
胃の中は非常に強い酸性環境で、通常の細菌は生きていけません。ところが、**ヘリコバクター・ピロリ(ピロリ菌)**は特殊な仕組みを持っているため、この過酷な環境でも長期間生存できます。
この炎症が長期にわたることで、
といった病気の原因になるのです。
※画像準備中
ピロリ菌の感染はほとんどが幼少期に起こります。かつては井戸水の利用や衛生環境の不備により感染が広がっていました。
親から子どもへの感染が多く、食べ物の口移しや食器の共用が原因と考えられています。成人後に新たに感染することは稀で、夫婦間でうつる心配はほとんどありません。
都市部(例:世田谷区)のように上下水道が整備された地域では若年層の感染率は非常に低い一方、地方の一部では依然として感染率がやや高い傾向があります。
ピロリ菌を放置していると、次のような病気のリスクが高まります。
年代によって大きな差があります。
高齢者で感染率が高いのは、幼少期の衛生環境が十分でなかった影響です。
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検査法 | 特徴 | 所要時間 | 精度 | 負担感 |
---|---|---|---|---|
尿素呼気試験 | 高精度・除菌判定の第一選択 | 約10分 | ◎ | 少 |
便中抗原検査 | 小児・高齢者にも可能 | 数時間 | ◎ | 中 |
血清抗体検査 | 感染「既往」を把握 | 数日 | ○ | 少 |
内視鏡下迅速検査 | 胃の直接観察+生検可能 | 10〜20分 | ◎ | やや有 |
初診・問診(症状・既往歴・家族歴の確認)
適切な検査を選択(呼気・便・血液・内視鏡)
除菌治療(7日間服薬)
判定検査(8週後)
成功 → 年1回胃カメラで経過観察
失敗 → 二次除菌へ
保険適用の基本は3剤7日間内服です。
段階 | 内容 | 使用薬剤 | 成功率 | 自己負担(3割) |
---|---|---|---|---|
一次除菌 | 初回治療 | ボノプラザン+アモキシシリン+クラリスロマイシン | 約70〜80% | 約4,000〜5,000円 |
二次除菌 | 再挑戦 | ボノプラザン+アモキシシリン+メトロニダゾール | 約90〜95% | 約4,000〜5,000円 |
三次除菌(自由診療) | 保険外・感受性検査併用 | 例:ボノプラザン+メトロニダゾール+レボフロキサシン等 | 約80〜90% | 約1〜2万円 |
多くは幼少期の家族内感染。成人後の新規感染はまれです。
基本的に不要。ただし二次除菌中は飲酒を控えてください。
胃カメラで慢性胃炎や潰瘍が確認されれば保険適用です。
リスクは大きく下がりますがゼロではありません。年1回の胃カメラが推奨されます。
はい。検査は短時間、治療は7日間の内服で完結します。
ピロリ菌は**「静かなリスク」**です。症状がなくても胃に炎症を起こし、放置すれば潰瘍や胃がんへとつながります。
そのときが検査に最適なタイミングです。
当院(世田谷区・東松原駅前 いけざき内科内視鏡クリニック)では、 検査から治療、そして再発予防まで一貫して対応しています。
どうぞお気軽にご相談ください。
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