
便秘・下痢外来(おなか専門外来)
便秘・下痢外来(おなか専門外来)
「お通じがすっきりしない」「下痢が続いて不安」――そんなおなかの不調で困っていませんか?
便秘や下痢は誰にでも起こり得る症状ですが、「そのうち治るだろう」「恥ずかしいから」と我慢してしまい、受診が遅れる方も少なくありません。
私はこれまで大学病院や総合病院で数多くの患者さまを診てきました。「数日間便が出ずお腹が張って苦しい」「下痢が続いて学校や仕事に行けない」そんな声を多く聞いています。
実際には、軽い不調と思われた症状の裏に 慢性便秘症・過敏性腸症候群・大腸ポリープ・大腸がん が隠れていることもあります。もっと早く相談していただければ…と感じる場面も少なくありません。
統計でも、日本人の約10%が慢性便秘に悩み、過敏性腸症候群は10〜20%にのぼるとされています。決して珍しくない症状なのに、「どこに相談してよいか分からない」方が多いのが現状です。
当院では、まず丁寧にお話を伺い、生活習慣やお薬の影響まで含めて原因を探ります。必要に応じて血液検査・便検査・大腸内視鏡検査を行い、最適な治療をご提案します。
「おなかのことは恥ずかしい」
「人に言いにくい」
そう感じていた方も、どうぞ安心してご相談ください。便秘や下痢でお困りの方が、少しでも快適で前向きな毎日を送れるようサポートすること
――それが当院の便秘・下痢外来の使命です。
便秘とは「排便回数が週3回未満」の場合だけでなく、
といった状態も含まれます。
特に女性に多くみられ、年齢を重ねるにつれて悩む方はさらに増えていきます。男性は比較的高齢になるまで便秘は少ない傾向がありますが、70歳を超えると頻度が高くなることがわかっています。
便秘の原因は人によって異なるため、当院では消化器内科・内視鏡専門医が必要な検査を行い、一人ひとりに合わせた治療を行います。市販薬で改善しない便秘にも、新しい作用を持つお薬や漢方薬など、幅広い治療の選択肢があります。さらに、生活習慣の改善指導を組み合わせ、再発予防にも取り組んでいます。
便秘といっても原因やタイプはさまざまです。ご自身の症状にあてはまるものがあるかもしれません。
大腸の動きが弱くなり、便が腸に長くとどまることで硬くなり、出にくくなるタイプです。女性や高齢者に多くみられ、食欲低下・肌荒れ・肩こりなどを伴うこともあります。運動不足、食物繊維不足、過度なダイエットなどが関与します。
腸が過度に緊張し、便の流れが悪くなるタイプです。コロコロした便が少量しか出ない/便秘と下痢を繰り返すといった特徴があります。ストレスや過敏性腸症候群(IBS)が関係することもあります。
便が直腸まで来ても便意が起こらず、排出できないタイプです。便意を我慢する習慣や切れ痔による排便痛が原因になることがあります。放置すると便が固まり、悪化してしまうこともあります。
大腸がんや腸閉塞などの病気が原因で起こる便秘です。市販の下剤で対処するのは危険で、血便・強い腹痛・吐き気を伴う場合は早急に医療機関を受診する必要があります。
便秘は原因によって治療法が異なります。薬の副作用や病気が原因の場合は、その治療や処方内容の見直しが必要です。それ以外の場合には、生活習慣の改善と薬物療法を組み合わせて症状を改善していきます。
こうした工夫が、腸のリズムを整え、快適な排便と便秘予防につながります。
便秘のタイプに合わせて、バランスよくとることが大切です。
乳酸菌は善玉菌を増やし、腸内環境を整えて排便を助けます。ヨーグルト、漬物、みそ、醤油など、毎日の食生活に取り入れることができます。
最近は新しいタイプの薬も登場しており、市販薬で効果がなかった方でも改善が期待できます。当院では漢方薬も含めて、一人ひとりの症状やライフスタイルに合わせた処方を行います。
健康な便は、水分がおよそ70〜80%、残りが未消化の食物残渣や腸内細菌、古い腸の細胞などで構成されています。水分量が増えると、80〜90%で泥状便、90%以上で水様便となり、いわゆる下痢の症状になります。
では「水をたくさん飲んだら下痢になるのか?」というと、必ずしもそうではありません。口から入った食べ物や水分は一度液体となって大腸に到達し、その後大腸で少しずつ水分が再吸収されることで固形の便になります。しかし、炎症で腸の粘膜がむくんだり、蠕動運動(腸の動き)が過剰になったりすると水分吸収が追いつかず、下痢が起こるのです。
下痢には一時的なものから慢性的なものまでさまざまなタイプがあります。急性の下痢は多くが細菌やウイルスによる感染性腸炎ですが、長引く場合には潰瘍性大腸炎やクローン病といった炎症性腸疾患、大腸がんなどのサインであることもあり、注意が必要です。
細菌やウイルスの感染によって起こる下痢です。発熱や腹痛を伴うこともあります。
大腸にできた病変が原因で下痢や血便がみられることがあります。長引く下痢や便通異常は、早めの内視鏡検査が大切です。
腸に慢性的な炎症が起こる病気です。若い方にもみられ、下痢や血便、腹痛が繰り返し起こります。
検査で異常がなくても、ストレスや自律神経の乱れで下痢や便秘を繰り返す機能性の病気です。
抗生物質など一部のお薬が腸内環境に影響して下痢を引き起こすことがあります。
手術後や胆汁の調節異常によって、大腸に胆汁が流れ込みすぎて起こる下痢です。
感染性腸炎が疑われるときに行い、原因となる細菌を特定します。
細いスコープを肛門から挿入し、大腸の粘膜を直接観察できる検査です。
特に血便・便秘や下痢を伴う腹痛がある場合は、大腸がんの可能性もあるため、大腸カメラが推奨されます。
軽度の下痢では、経口補水液で電解質と水分をバランスよく補給します。重度の脱水がある場合は、点滴で輸液を行います。
整腸剤や必要に応じて止痢薬を使います。また、検査で原因がわかれば、その病気に応じた治療(炎症性腸疾患や大腸がんなど)を行います。
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