肝臓外来について

肝臓は「沈黙の臓器」と呼ばれています。理由は、肝臓に異常があっても初期にはほとんど自覚症状が現れないためです。
健康診断で「肝機能異常」と指摘されても、症状がないからと放置し、受診を先延ばしにしてしまう方は少なくありません。しかし放置してしまうと、脂肪肝 → 肝炎 → 肝硬変 → 肝がんへと進行することもあります。
肝臓は生命維持に欠かせない臓器であり、次のように多くの役割を担っています。

• 栄養素の代謝
• アルコールや薬の解毒
• 胆汁の生成
• エネルギーの貯蔵（グリコーゲン）
• 血液凝固因子の合成

肝臓が障害を受けると、全身のさまざまな不調につながります。
当院（世田谷区・京王井の頭線 東松原駅徒歩1分）では、肝臓病の早期発見と早期治療を目的とした「肝臓外来」を設けています。
健診で異常を指摘された方、だるさ・黄疸などの症状が気になる方はもちろん、「心配だから検査だけ受けたい」という方も安心して受診いただけます。

肝臓病セルフチェック

以下に当てはまる方は、症状がなくても一度ご相談ください。

• 健診で肝機能異常を指摘された
• 健診や血液検査をしばらく受けていない
• 家族に肝炎や肝臓病の人がいる
• B型・C型肝炎の検査を受けたことがない
• 肥満ぎみ／お酒をよく飲む
• 白目や皮膚が黄色っぽい
• 体がかゆい、だるい、疲れやすい
• 食欲がない、体重が減ってきた
• 足のむくみやお腹の張りがある
• 右肋骨の下に違和感や痛み
• 過去に輸血を受けたことがある
• 鍼治療・刺青・ボディピアス経験あり

肝機能を調べる血液検査

当院では以下の血液検査を行い、肝臓の状態を総合的に評価します。

さらに、

• HBs抗原・HCV抗体によるウイルス性肝炎のチェック
• 腹部エコーによる脂肪肝や腫瘍の確認

も併せて行います。

肝臓の主な病気

脂肪肝（NAFLD / NASH）

• 健診で最も多く指摘される肝臓病
• 飲酒しない人にも起こる「非アルコール性脂肪肝疾患（NAFLD）」が増加
• 炎症を伴う場合は「非アルコール性脂肪肝炎（NASH）」と呼ばれ、肝硬変や肝がんに進展するリスクあり
• 肥満・糖尿病・脂質異常症と密接に関連

アルコール性肝障害

• 大量飲酒により発症
• アルコール性脂肪肝 → アルコール性肝炎 → 肝硬変と進行
• 禁酒が最大の治療法。早期で禁酒すれば改善可能

ウイルス性肝炎

• B型肝炎：血液・体液を介して感染。慢性化すると肝硬変・肝がんのリスク
  → ワクチンで予防可能
• C型肝炎：血液感染。かつては難治でしたが、現在は**経口薬（DAA：直接作用型抗ウイルス薬）**によりほとんどの方が治癒可能

肝硬変

• 長期の炎症で肝臓が線維化し硬くなる状態
• 初期は無症状だが、進行すると黄疸・腹水・肝性脳症が出現
• 肝がんの発生母地となるため、定期的な経過観察が必須

肝がん

• 代表は「肝細胞がん」
• 背景に肝炎や肝硬変を持つケースが大多数
• 治療法は、外科手術・ラジオ波焼灼療法・カテーテル治療（TACE）・分子標的薬・免疫療法など
• 早期発見であれば治療成績は良好

肝臓病と生活習慣

肝臓病は生活習慣と密接に関係しています。

• 食生活：過食・高脂肪食・糖分過多 → 脂肪肝の原因
• 運動不足：肥満・インスリン抵抗性が肝臓に悪影響
• アルコール：毎日の飲酒は少量でもリスク
• 薬やサプリメント：一部は肝障害の原因になることも

予防の基本は生活習慣の改善です。
適度な運動・バランスの良い食事・禁酒や節酒が肝臓を守ります。

当院の特徴

当院では次のような方針で肝臓外来を運営しています。

• 世田谷区・京王井の頭線沿線の方が通いやすい立地（東松原駅徒歩1分）
• 健診異常に対する迅速な再検査・評価
• 血液検査＋腹部エコーを組み合わせた総合診療
• 消化器内視鏡検査との連携で、肝臓と消化管疾患を包括的に診療
• 苦痛の少ない検査と、丁寧でわかりやすい説明

私たちは「灯台のようなあたたかな光で、健康の道しるべとなる」を理念に掲げています。
患者さま一人ひとりの生活背景に寄り添い、安心して通院・治療できる環境を整えています。

まとめ

肝臓病は初期には症状が出にくいため、健診異常や軽い不調を軽視しないことが大切です。

• 脂肪肝
• アルコール性肝障害
• ウイルス性肝炎
• 肝硬変
• 肝がん

いずれも早期発見・治療・生活改善により進行を防ぐことが可能です。

世田谷区・渋谷区・杉並区など京王井の頭線沿線にお住まいで、

• 健診で肝機能異常を指摘された方
• 飲酒習慣や肥満が気になる方
• ご家族に肝臓病がある方

は、当院の「肝臓外来」へお気軽にご相談ください。