下痢|東松原駅前いけざき内科・内視鏡クリニック|東松原駅の内科・内視鏡内科・消化器内科・肝臓内科
下痢とは
下痢とは、通常よりも軟らかい便や水様便が頻回に排泄される状態を指します。一般的には 1日に3回以上の軟便や水様便 が続く場合に「下痢」と診断されます。
健康な便の水分量は70〜80%ですが、これが85〜90%以上に増えると泥状便や水様便となります。腸の働きの乱れ、炎症、蠕動運動の異常、水分の再吸収不足などが関与して起こります。
下痢には、数日で自然に治まる 急性下痢 と、2週間以上続く 慢性下痢 があり、背景にある原因や治療方針は大きく異なります。
Bristol便形状スケール
便の形状を7段階で分類する国際的な指標です。
- タイプ1〜2:便秘を示唆
- タイプ3〜4:理想的な便
- タイプ5〜7:軟便〜下痢
→ 下痢が続く場合、このスケールを使って自分の便を把握しておくと、受診時に役立ちます。
下痢の主な原因
食事・飲料関連
- 不衛生な食品(サルモネラ菌、カンピロバクターなどによる食中毒)
- アルコールやカフェインの過剰摂取
- 食物不耐症(乳糖不耐症・グルテン不耐症など)
感染症
- ウイルス:ノロウイルス、ロタウイルス
- 細菌:病原性大腸菌O157、赤痢菌など
- 寄生虫:アメーバ赤痢、ジアルジア
薬剤性
- 抗菌薬(抗菌薬関連下痢、Clostridioides difficile感染症)
- 下剤、抗がん剤、NSAIDs
心因性・生活習慣
- 強いストレスや不安 → 腸の蠕動が過敏に
- 過敏性腸症候群(IBS)
消化器疾患
- 潰瘍性大腸炎・クローン病(炎症性腸疾患)
- 虚血性大腸炎・大腸がん
- 慢性膵炎・胆汁酸吸収不良
下痢の症状と重症化のサイン
一般的な症状
- 軟便〜水様便の頻回排泄
- 腹痛・腹部膨満感
- 便意切迫感
- 腹部のゴロゴロ音
重症化のサイン
- 血便・黒色便
- 高熱
- 脱水症状(尿量減少、口渇、倦怠感、意識障害)
- 急激な体重減少
→ これらの症状がある場合は、早急に医療機関を受診してください。
受診目安フローチャート
- 下痢が出た
↓
- 数日で改善した? → YES:自宅療養(水分補給・安静)
↓ NO
- 1週間以上続く?
↓ YES
- 血便・高熱・体重減少あり?
YES → 消化器内科へ早急に受診
NO → 医療機関での精査を推奨
下痢の治療
急性下痢
- 経口補水液(ORS)で水分・電解質を補う
- 整腸剤(乳酸菌製剤、ビフィズス菌製剤など)
- 消化に優しい食事
- 一部の細菌性腸炎には抗菌薬を使用
慢性下痢
- 炎症性腸疾患:5-ASA製剤(メサラジン)、ステロイド、生物学的製剤
- IBS:整腸剤、食事指導、ストレス管理
- 大腸がん:内視鏡的切除、外科手術、化学療法
自宅でできる対処法(軽症の場合)
- 経口補水液や味噌汁で水分・電解質を補給
- 消化に優しい食事(おかゆ、バナナ、リンゴのコンポート、ヨーグルト)
- 刺激物・アルコール・油物を控える
- 少量ずつ分けて摂取
下痢改善に役立つ食品
- バナナ:消化が良く整腸作用あり
- おかゆ:胃腸にやさしい主食
- ヨーグルト:乳酸菌で腸内環境を改善
- リンゴのすりおろし:ペクチンが便を整える
- 温かいお茶:腸を温めて安定化
予防のポイント
- 食事はよく加熱し、不衛生な飲食を避ける
- 外食や旅行時は生水・生ものに注意
- 規則正しい生活・十分な睡眠で腸の働きを整える
- 適度な運動で腸の蠕動を促す
- ストレスマネジメント(深呼吸・散歩・趣味の時間)
まとめ
下痢は一過性で自然に改善することもありますが、1週間以上続く下痢や血便・高熱・体重減少を伴う下痢は重大な疾患のサインである可能性があります。
当院(京王井の頭線・東松原駅前いけざき内科内視鏡クリニック)では、便検査・血液検査・大腸カメラなどを組み合わせて原因を明らかにし、一人ひとりに合わせた治療を行っています。駅徒歩1分の便利な立地で、急な体調不良の方でも安心してご来院いただけます。
「下痢が続いて不安」「血便が出て心配」という方は、自己判断せずにぜひ一度当院へご相談ください。