2026年3月03日

はじめに
東松原・明大前・永福町・浜田山・下北沢など
井の頭線沿線にお住まいのみなさまへ。
京王井の頭線 東松原駅前
いけざき内科・内視鏡クリニック
院長 池崎 修です。
外来では、
・健康診断で貧血を指摘された
・疲れやすくなった
・階段で息切れする
・立ちくらみや動悸がある
といったご相談をいただきます。

貧血にはさまざまな原因がありますが、
胃や大腸から少量の出血が続いて
起こることもあります。
「鉄剤を飲めば大丈夫」と考えず、
原因を確認することが大切です。
結論
原因不明の鉄欠乏性貧血では、
消化管からの慢性的な出血が
隠れていることがあります。
特に、
・成人男性
・閉経後の女性
・黒い便や血便がある
・体重減少や食欲低下がある
・鉄剤で改善しない
・改善しても貧血を繰り返す
場合は、消化管の検査を検討します。
すべての貧血に
胃カメラや大腸カメラが
必要なわけではありません。
貧血の種類や年齢、症状から
必要な検査を個別に判断します。
まず貧血の種類を確認します
貧血とは、血液中のヘモグロビンが
少なくなった状態です。
原因には、
・鉄不足
・ビタミン不足
・腎臓病
・慢性炎症
・血液の病気
などがあります。
血液検査で、ヘモグロビンや
赤血球の大きさ、血清鉄、
フェリチンなどを確認します。
そのうえで、鉄が不足している
鉄欠乏性貧血かどうかを判断します。
消化管出血で貧血になる理由
胃や大腸から少量の出血が続くと、
体内の鉄が徐々に失われます。
出血量が少ない場合は、
便に血が見えないこともあります。
目に見える血便がなくても、
消化管出血を否定することはできません。

出血がゆっくり続くと体が慣れ、
貧血が進んでいても
症状が軽い場合があります。
健康診断で初めて気づく方も
少なくありません。
消化管出血の主な原因

胃・十二指腸
・胃潰瘍
・十二指腸潰瘍
・びらん性胃炎
・胃がん
大腸
・大腸ポリープ
・大腸がん
・潰瘍性大腸炎
・大腸憩室出血
・痔からの出血
痛み止めの一部は、
胃や十二指腸の粘膜障害に
関係することがあります。
また、抗血栓薬を服用していると、
消化管からの出血が起こりやすくなったり、
出血量が増えたりすることがあります。
自己判断で薬を中止せず、
必ず医師へお知らせください。
早めに受診したいサイン
次のような場合は、
早めに医療機関へご相談ください。
・原因不明の貧血
・黒い便や血便がある
・体重が減ってきた
・食欲低下が続く
・腹痛や便通の変化がある
・鉄剤で改善しない
・貧血を繰り返している
・中高年になって初めて指摘された
鉄剤で数値が改善しても、
出血の原因が残っていれば
再び貧血になる可能性があります。
鉄を補うことと、
原因を調べることは別です。
速やかな受診が必要な症状
貧血に加えて、
・息苦しさや胸の痛み
・安静時にも強い動悸がある
・立てないほどのふらつき
・意識が遠のく
・大量の血便
・黒いタール便と体調不良
がある場合は、
速やかに医療機関を受診してください。
症状が強い場合は、
救急要請も検討してください。
女性の貧血について
月経のある女性では、
経血量の多さが鉄欠乏の
原因になることがあります。
月経量が多い場合は、
子宮筋腫などの婦人科疾患が
隠れていることもあります。
必要に応じて、
婦人科への受診も検討します。
一方、
・月経量だけでは説明できない
・消化器症状がある
・鉄剤で改善しない
・貧血を繰り返す
場合は、消化管の評価も必要です。
閉経後に鉄欠乏性貧血を
初めて指摘された場合は、
消化管の確認が特に重要です。
貧血ではどのような検査をする?
まず血液検査で、
貧血の程度と種類を確認します。
鉄欠乏性貧血が疑われる場合は、
年齢や症状に応じて、
・便検査
・胃カメラ
・大腸カメラ
・腹部画像検査
などを検討します。
胃カメラでは、
食道・胃・十二指腸の
潰瘍や腫瘍などを確認します。
大腸カメラでは、
大腸ポリープ、大腸がん、
腸の炎症などを確認できます。
便潜血検査が陰性でも、
消化管の病気を完全に
否定できるとは限りません。
当院の内視鏡検査について

当院では、
・消化器内視鏡専門医が対応
・鎮静剤を使用した内視鏡検査
・胃カメラと大腸カメラの同日検査
・日帰り大腸ポリープ切除
に対応しています。
同日検査やポリープ切除の可否は、
症状や持病、病変の状態などから
個別に判断します。
まとめ
原因不明の鉄欠乏性貧血には、
胃や大腸からの慢性的な出血が
隠れていることがあります。
特に成人男性や閉経後の女性、
黒い便、血便、体重減少がある方は、
原因を確認することが大切です。
鉄剤を飲むだけで終わらせず、
貧血の種類と原因を調べましょう。
「健康診断で初めて指摘された」
という段階でも
お気軽にご相談ください。
関連コラム
・第39回:大腸がんの初期症状とは?
・第89回:胃潰瘍とは?
・第24回:胃カメラと大腸カメラの同日検査
【この記事の執筆者】
東松原駅前 いけざき内科・内視鏡クリニック
院長 池崎 修
診療科目:
内科/内視鏡内科/消化器内科/肝臓内科
資格・専門医:
・日本消化器内視鏡学会 専門医
・日本消化器病学会 消化器病専門医
・日本肝臓学会 肝臓専門医
・日本消化管学会 胃腸科専門医
・日本内科学会 内科専門医・内科指導医
・初期臨床研修指導医
・東京都難病指定医
