2026年10月30日

はじめに
東松原・明大前・永福町・下北沢など、
井の頭線沿線にお住まいのみなさまへ。
京王井の頭線 東松原駅前
いけざき内科・内視鏡クリニック
院長の池崎 修です。
・おならが多く、人前で気になる
・お腹が張って仕事に集中できない
・静かな場所でお腹が鳴るのが心配
・「IBSのガス型」かもしれない
このような悩みはありませんか。

おならやお腹の張りは、
過敏性腸症候群(IBS)でも
みられる症状です。
ただし、ガスの症状だけで
IBSとは判断できません。
今回は、「ガス型」という言葉の意味と、
症状の原因、対策、受診の目安を解説します。
IBSの「ガス型」は正式な分類?
「ガス型」は、おならやお腹の張りが
目立つ状態を表す言葉として
使われることがあります。
しかし、正式なIBSの分類名ではありません。
IBSは、便の形や硬さなどから、
次の4つに分類されます。
・便秘型
・下痢型
・混合型
・分類不能型
お腹の張りやガスの悩みは、
どのタイプでも起こることがあります。
「分類不能型=ガス型」
という意味でもありません。

おならが多ければIBS?
IBSでは、繰り返す腹痛と、
排便に関連した症状の変化や、
便の回数・形の変化などを確認します。
そのため、おならや張りが中心で、
腹痛や便通の変化がない場合は、
IBS以外の状態も考えます。
例えば、便秘や乳糖不耐症、
機能性腹部膨満症などが
関係していることがあります。
自分で「ガス型IBS」と決めつけず、
症状全体から考えることが大切です。
▶ 関連コラム
第28回:過敏性腸症候群(IBS)とは?|症状・4つのタイプと大腸カメラが必要なサイン
なぜおならや張りが気になる?
食べ物の発酵によるガス
吸収されにくい糖質などが
腸内細菌によって発酵すると、
ガスが発生します。
食事内容や量によって、
症状が強くなる方もいます。
飲み込む空気
早食いやガムをかむ習慣などで、
飲み込む空気が増える場合があります。
また、炭酸飲料によって
お腹の張りが強くなる方もいます。
便秘やガスの移動の問題
便がたまっていたり、
腸内のガスがうまく移動・排出されず、
張りを感じることがあります。
腸の刺激への敏感さ
IBSでは、腸の刺激を
敏感に感じることがあります。
張りが強いからといって、
必ずしもガスの量が多いとは限りません。
ストレスや緊張が
症状に影響する場合もありますが、
「気のせい」ということではありません。
▶ 関連コラム
第60回:おならが多い・ガスが増えた原因|腸内環境と病気の見分け方
食事は何を見直すとよい?
まずは、食べたものと症状を
簡単に記録してみましょう。
・何を、どのくらい食べたか
・いつ張りや腹痛が出たか
・便の回数や硬さ
・睡眠や緊張との関係
乳製品や特定の果物、
糖アルコールを含む食品などで
症状が出る方もいます。
ただし、原因となる食品や量には
個人差があります。
体によいとされる食品でも、
自分に合うとは限りません。
食物繊維やヨーグルトなどを増やして
かえって張る場合は、
量や種類を見直しましょう。
低FODMAP食は効果がある?
FODMAPとは、腸で吸収されにくく、
発酵などを通して症状に関係する
糖質の総称です。
これらを一時的に減らす
「低FODMAP食」で、
IBSの症状が改善する方もいます。
ただし、すべての方に必要な
食事法ではありません。
また、長期間にわたって
多くの食品を避け続ける方法でもありません。
必要に応じて、
医師や管理栄養士に相談しましょう。
制限後は食品を段階的に戻しながら、
自分に合う食事を探していきます。
▶ 関連コラム
第59回:低FODMAP食とは?|IBS・ガス・お腹の張りへの取り入れ方と注意点
日常生活でできる対策
・早食いを避け、ゆっくり食べる
・炭酸飲料やガムで悪化しないか確認する
・適度に体を動かす
・睡眠や食事の時間を整える
・便意を繰り返し我慢しない
おならの回数だけを気にするよりも、
腹痛や張り、生活への影響を
減らすことを目標にしましょう。
人前での不安が強く、
通勤・通学や外出を避けている場合も、
遠慮なくご相談ください。

薬や大腸カメラは必要?
治療は、便秘・下痢・腹痛など、
一緒に起きている症状によって異なります。
便通を整える薬や整腸剤などを、
症状に応じて検討します。
市販薬やサプリメントを
増やし続ける前に相談してください。
おならや張りがある方全員に、
大腸カメラが必要なわけではありません。
症状の経過や年齢、家族歴、
血便・貧血などの有無から、
必要な検査を判断します。
こんなときは早めに受診を
・血便や黒い便がある
・原因不明の体重減少がある
・発熱や貧血がある
・夜中に腹痛や下痢で目が覚める
・最近、便通が明らかに変わった
・症状が悪化している
強い腹痛や嘔吐があり、
お腹が張って便もガスも出ない場合は、
速やかに受診してください。
IBSと自己判断せず、
ほかの病気がないか確認することが大切です。
▶ 関連コラム
第57回:お腹が張る原因とは?|様子を見てよいケースと受診が必要な症状
当院へご相談ください

当院では、おならやお腹の張り、
腹痛、便秘、下痢などを診療しています。
食事や排便との関係、
生活への影響を確認し、
検査や治療の必要性を判断します。
「恥ずかしくて話しにくい」
「ガスだけで受診してよいか迷う」
という方も、お気軽にご相談ください。
まとめ
「ガス型」は、
正式なIBSの分類ではありません。
おならやお腹の張りには、
食事、便秘、腸の敏感さなど、
さまざまな要因が関係します。
厳しい食事制限を自己判断で続けず、
生活に支障がある場合はご相談ください。
腹痛や便通の変化も含めて確認し、
自分に合う対策を考えていきましょう。
【この記事の執筆者】
東松原駅前いけざき内科・内視鏡クリニック
院長 池崎 修
診療科目:
内科/内視鏡内科/消化器内科/肝臓内科
資格・専門医:
・日本消化器内視鏡学会 専門医
・日本消化器病学会 消化器病専門医
・日本肝臓学会 肝臓専門医
・日本消化管学会 胃腸科専門医
・日本内科学会 内科専門医・内科指導医
・初期臨床研修指導医
・東京都難病指定医
