2026年4月01日

はじめに
東松原・明大前・永福町・下北沢など、
井の頭線沿線にお住まいのみなさまへ。
京王井の頭線 東松原駅前
いけざき内科・内視鏡クリニック
院長の池崎 修です。
外来では、
・ピロリ菌がいると言われた
・胃がんになるのではないかと心配
・症状がなくても除菌した方がよい?
・除菌すれば胃がんを予防できる?
・除菌後も胃カメラが必要?
といったご相談をいただきます。

ピロリ菌は、胃の粘膜へ
慢性的な炎症を起こし、
胃がんの発症リスクに
関係する細菌です。
今回は、ピロリ菌と胃がんの関係、
除菌治療の重要性、
除菌後に胃カメラを続ける理由について
分かりやすく解説します。
ピロリ菌とは?
ピロリ菌は、胃の粘膜に感染し、
慢性的な炎症を起こす細菌です。
感染していても、長期間にわたって
自覚症状がない場合があります。
ピロリ菌は、
・慢性胃炎
・萎縮性胃炎
・胃潰瘍、十二指腸潰瘍
・胃がん
・胃MALTリンパ腫
などと関係します。
胃痛や胃もたれなどの症状がなくても、
胃の粘膜では炎症が
進んでいる場合があります。
▶ 関連コラム
ピロリ菌が胃がんにつながる仕組み
ピロリ菌が胃の粘膜に感染すると、
慢性的な胃炎が起こります。
炎症が長期間続くことで、
胃の粘膜が薄くなる
「萎縮性胃炎」が進行することがあります。
さらに、胃の粘膜が腸の粘膜に似た状態へ
変化する「腸上皮化生」が
みられる場合もあります。
萎縮性胃炎や腸上皮化生が進むと、
胃がんの発症リスクが
高くなると考えられています。
ただし、すべての方が
同じように進行するわけではありません。
感染期間や胃粘膜の状態、
生活習慣、遺伝的な要因なども
関係すると考えられています。
胃がんリスクが高くなるまでの流れ

一般的には、
ピロリ菌感染
↓
慢性胃炎
↓
萎縮性胃炎・腸上皮化生
↓
一部で胃がんの発症リスクが高まる
という経過が考えられます。
この変化は、長い時間をかけて
進むことがあります。
ピロリ菌に感染しているだけで、
胃がんが確定したという
意味ではありません。
胃カメラで胃粘膜の状態を確認し、
必要に応じて除菌治療を
受けることが大切です。
ピロリ菌はどうやって調べる?
ピロリ菌の主な検査には、
・尿素呼気試験
・便中ピロリ菌抗原検査
・血液や尿の抗体検査
・胃カメラ時に行う検査
などがあります。
それぞれの検査には、
適した時期や特徴があります。
胃酸を抑える薬や抗菌薬などの影響で、
正確に判定できない場合もあります。
検査前の休薬については、
自己判断せず医師の指示に
従ってください。
また、抗体検査が陽性でも、
現在の感染ではなく、
過去の感染を反映している
場合があります。
検査結果だけで判断せず、
胃カメラの所見や除菌歴なども含めて
総合的に判断します。
除菌すると胃がんを予防できる?
ピロリ菌を除菌することで、
胃がんの発症を完全に
防げるわけではありません。
ただし、胃の慢性的な炎症が改善し、
将来の胃がんリスクを
下げる効果が期待できます。
そのため、ピロリ菌の感染が
確認された場合は、
原則として除菌治療を
検討します。
一般的な一次除菌では、
胃酸を抑える薬と2種類の抗菌薬を
7日間服用します。
除菌薬を飲み終えただけでは、
成功したかどうかは分かりません。
当院では、治療終了後
8週間以上空けて、
尿素呼気試験などで
除菌判定を行います。
▶ 関連コラム
除菌後も胃がんになることはある?
除菌に成功しても、
胃がんのリスクが
完全にゼロになるわけではありません。
除菌前に萎縮性胃炎や
腸上皮化生が進んでいる場合は、
除菌後も胃がんが
発生する可能性があります。
特に、
・萎縮性胃炎の範囲が広い
・腸上皮化生がある
・胃がんの治療歴がある
・血縁者に胃がんの方がいる
・除菌前の感染期間が長いと考えられる
場合は、定期的な胃カメラが重要です。

胃カメラを受ける間隔は、
胃粘膜の状態や年齢、既往歴などから
個別に判断します。
こんな方はご相談ください
次のような方は、
消化器内科へご相談ください。
・ピロリ菌陽性と言われた
・慢性胃炎や萎縮性胃炎を指摘された
・除菌治療を受けるか迷っている
・除菌後の判定を受けていない
・昔除菌した後、胃カメラを受けていない
・血縁者に胃がんの方がいる
・胃痛や胃もたれが続いている
胃がんは、早期には
自覚症状がほとんどないことがあります。
症状がないことだけで
胃に異常がないとは判断できません。
当院の胃カメラについて
胃カメラでは、
・胃炎や萎縮の範囲
・腸上皮化生を疑う所見
・胃潰瘍
・胃ポリープ
・早期胃がん
などを確認します。
気になる病変がある場合は、
組織の一部を採取する
生検を行うことがあります。

当院では、鼻から行う経鼻内視鏡、
口から行う経口内視鏡のほか、
ご希望や体調に応じて、
鎮静剤を使用した胃カメラにも
対応しています。
鎮静剤の効き方や
苦痛の感じ方には個人差があります。
「自分に検査が必要か分からない」
という段階でもご相談ください。
まとめ
ピロリ菌は、胃の粘膜へ
慢性的な炎症を起こし、
胃がんの発症リスクに
関係する細菌です。
ピロリ菌に感染していても、
必ず胃がんになるわけではありません。
除菌治療によって、
胃がんの発症リスクを
下げる効果が期待できます。
ただし、除菌に成功しても
胃がんのリスクはゼロになりません。
除菌判定を受けたうえで、
医師から案内された間隔で
胃カメラを受けましょう。
【この記事の執筆者】
東松原駅前 いけざき内科・内視鏡クリニック
院長 池崎 修
診療科目:
内科/内視鏡内科/消化器内科/肝臓内科
資格・専門医:
・日本消化器内視鏡学会 専門医
・日本消化器病学会 消化器病専門医
・日本肝臓学会 肝臓専門医
・日本消化管学会 胃腸科専門医
・日本内科学会 内科専門医・内科指導医
・初期臨床研修指導医
・東京都難病指定医
