過敏性腸症候群(IBS)の原因とは?ストレスだけではない症状の仕組みを解説

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過敏性腸症候群(IBS)の原因とは?|ストレスだけじゃない腹痛・下痢・便秘の理由【医療コラム第29回】

過敏性腸症候群(IBS)の原因とは?ストレスだけではない症状の仕組みを解説

2026年1月26日

過敏性腸症候群(IBS)の原因とは?|ストレスだけじゃない腹痛・下痢・便秘の理由【医療コラム第29回】

はじめに

東松原・明大前・永福町・下北沢など
井の頭線沿線にお住まいのみなさまへ。

京王井の頭線 東松原駅前
いけざき内科・内視鏡クリニック
院長 池崎 修です。


外来では、

・下痢や便秘を繰り返す
・腹痛があるのに検査では異常がない
・「ストレスですね」と言われた
・本当にIBSなのか不安

といったご相談を
多くいただきます。

「気にしすぎです」
「ストレスが原因です」

そう言われて、
症状を我慢していませんか?

過敏性腸症候群(IBS)は、
ストレスで悪化することがあります。

しかし、

ストレスだけで起こる病気ではありません。

今回は、IBSで腹痛や下痢、
便秘が起こる理由を解説します。

結論

IBSには、

・脳と腸の相互作用
・腸の動きの変化
・腸が刺激を強く感じる状態
・ストレスや睡眠不足
・腸内環境の変化
・感染性腸炎後の変化
・食事や生活リズム

など、複数の要因が
関係すると考えられています。


原因を一つだけに
特定できないことも少なくありません。

「ストレスをなくせば治る」
という単純な病気ではない

ことを知っておきましょう。

脳と腸は互いに影響しています

脳と腸は、自律神経やホルモンなどを通じて
互いに影響し合っています。

この関係を、

脳腸相関

といいます。

例えば、緊張すると
お腹が痛くなったり、

通勤や通学の前に
急な便意が起こったりすることがあります。

これは、脳が感じたストレスによって
腸の動きや感覚が変化するためです。


反対に、腸の不調が続くことで
不安や緊張が強くなり、

さらに腹痛や便意が起こりやすくなる
場合もあります。

つまり、脳から腸だけでなく、
腸から脳へも影響します。

IBSに関係する主な要因

① 腸の動きの変化

腸の動きが速くなると、
便から水分が十分に吸収されず、

軟便や下痢が
起こりやすくなります。

反対に、腸の動きが遅くなると
便が腸内に長くとどまり、

硬い便や便秘に
つながることがあります。

IBSでは、腸の動きが
不安定になることもあります。

② 腸が刺激に敏感になる

IBSでは、通常なら気にならない
腸の動きやガス、便の通過などを、

痛みや強い不快感として
感じることがあります。

これを、

内臓知覚過敏

といいます。


検査で大きな異常がなくても、
腹痛やお腹の張りが続く理由の一つです。

異常が見つからないからといって、
症状が「気のせい」という意味ではありません。

③ ストレス・緊張・睡眠不足

精神的なストレスや緊張、
疲労、睡眠不足などは、

脳腸相関を通じて
腸の動きや感覚へ影響します。

例えば、

・通勤前になると下痢をする
・会議の前に腹痛が起こる
・休日は症状が軽くなる

といった症状です。

ただし、ストレスは
複数ある要因の一つです。

④ 腸内環境の変化

腸内には多くの細菌が存在し、
腸の働きや免疫などに関係しています。

食生活の変化や抗菌薬の使用などをきっかけに、
腸内環境が変化すると、

腹痛や下痢、お腹の張りが
悪化することがあります。


ただし、腸内細菌の状態だけで
IBSを診断することはできません。

市販の整腸剤や健康食品だけに頼らず、
症状が続く場合は医療機関へご相談ください。

⑤ 感染性腸炎後の変化

胃腸炎が治ったあとも、
腹痛や下痢が長く続くことがあります。

このような状態を、

感染後IBS

と呼びます。


感染をきっかけに、
腸の粘膜や免疫、腸内環境などへ
変化が残ることが関係すると考えられています。

「胃腸炎は治ったはずなのに、
それから便通が戻らない」

という場合は、
感染後IBSの可能性があります。

⑥ 食事や生活リズム

脂肪分の多い食事、
香辛料、アルコール、カフェインなどが、

腹痛や下痢、お腹の張りの
きっかけになることがあります。

また、

・食事の時間が不規則
・一度にたくさん食べる
・睡眠時間が不足している

といった生活習慣も
症状に影響する場合があります。


症状が出る食品には
個人差があります。

原因と思われる食品を
過度に制限するのではなく、

食事内容と症状を記録して
自分の傾向を確認しましょう。

原因を一つに決めつけないことが大切です

IBSでは、

「仕事のストレスだけ」
「腸内細菌だけ」
「この食品だけ」

と原因を一つに決められないことが
少なくありません。

複数の要因が重なり、
症状が良くなったり悪くなったりします。

治療でも、症状に応じて、

・食事や生活リズムの見直し
・便通に応じた薬物治療
・腹痛への治療
・ストレスや睡眠への対応

などを組み合わせます。

IBSと思い込まないことも大切です

腹痛や下痢、便秘があっても、
必ずしもIBSとは限りません。

特に、

・血便がある
・体重が減ってきた
・発熱や貧血がある
・夜間に症状で目が覚める
・中高年になって初めて症状が現れた
・症状が次第に悪化している

場合は、IBS以外の病気が
隠れていないか確認することが大切です。

検査が必要かどうかは、
年齢や症状、家族歴などを踏まえて
個別に判断します。

IBSの症状や4つのタイプ、
大腸カメラを検討したいサインについては、
第28回のコラムで詳しく解説しています。

▶ 関連コラム

第28回:過敏性腸症候群(IBS)とは?
第44回:腹痛があるけど様子を見ていい?

まとめ

過敏性腸症候群(IBS)は、
ストレスだけで起こる病気ではありません。

・脳と腸の相互作用
・腸の動きの変化
・内臓知覚過敏
・腸内環境の変化
・感染性腸炎後の変化
・食事や生活リズム

など、複数の要因が関係しています。


検査で明らかな異常がなくても、
症状が「気のせい」ということではありません。

一方で、症状だけから
IBSと自己判断することもできません。

「ストレスと言われたけれど症状が続く」
「本当にIBSなのか確認したい」

という段階でも大丈夫です。

まずは消化器内科へ
お気軽にご相談ください。

【この記事の執筆者】
東松原駅前 いけざき内科・内視鏡クリニック
院長 池崎 修

診療科目:
内科/内視鏡内科/消化器内科/肝臓内科

資格・専門医:
・日本消化器内視鏡学会 専門医
・日本消化器病学会 消化器病専門医
・日本肝臓学会 肝臓専門医
・日本消化管学会 胃腸科専門医
・日本内科学会 内科専門医・内科指導医
・初期臨床研修指導医
・東京都難病指定医

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